お知らせ
2015.11.15

歯科の治療と処置 70

ミニチュア・シュナウザー 8ヵ月 男の子

乳歯が抜けずに残っていたため、抜歯処置を行うことになりました。

下顎の永久犬歯は少しずつ生えてきていましたが、完全には出ておらず、咬合異常も認められました。

乳歯が抜けないまま永久歯が生えた場合、そのままにしておくと
永久歯の噛み合わせや歯並びが悪くなり、口内炎や歯周病の原因になります。

 

まず、麻酔下で歯科レントゲン検査後、歯神経ブロック、スケーリングを行いました。

  
下顎の歯科レントゲン写真です。
線で囲まれているのが下顎の左右永久犬歯です。
咬合異常が起こっていましたが、歯根部(矢印の部分)ががまだ完全に閉じていなかったため
下顎犬歯の外科的矯正処置も行うことになりました。



  
歯神経ブロック                   スケーリング


歯の様子を前から撮影した写真です。
乳歯は右下顎の犬歯(黄○部分)が残っていました。
青○は永久犬歯です。正常に比べて内側から生えており、まだ充分に生えていない状態でした。
緑○の歯も永久歯ですが、この歯があることでより永久犬歯が正常な位置に出ないと思われたため、
緑○の2本も抜歯処置を行いました。

<即時傾斜移動による外科的矯正>
まず乳犬歯を抜歯します。歯科用エレベーターで永久犬歯を移動させた後、

抜いた乳犬歯の歯根部を切断し、「くさび」として歯肉に打ち込んで縫合し、移動させた永久犬歯を固定します。

  
抜歯した右下顎乳犬歯です。この歯の歯根部を切り取り、さらに2分割して左右の下顎の犬歯矯正に使用しました。


  
処置前                      処置後

青矢印が抜歯した乳犬歯の歯根を埋め込み縫合した部分です。
黄矢印は抜歯・縫合処置を行いました。


経過(処置から1週間後):元気や食欲はしっかりあり、痛みもなさそうとのことでした。
歯肉の炎症はほぼ治まっており、歯みがきを開始していただくようお伝えしました。


処置から1ヵ月後の歯科検診では、歯垢・歯石はまったくついておらず、とてもきれいに磨けていました。

処置前は、下顎犬歯は今後伸びてくると上顎にくいこむ可能性がありましたが、
処置後から2ヵ月半後、上顎にくいこむことなく下顎犬歯は伸長していま
した。


 ご家庭での歯のお手入れ、がんばりましょう!   

 


 

<参考>

*歯周プローブ検査:歯周ポケットの深さを1本ずつ測定します。

*ルートプレーニングとキュレッタージ:歯科治療処置では、見えている歯垢や歯石を取るだけではなく、
                   歯周ポケットの中もきれいにすることがとても重要です。

*ポリッシング:歯石を除去すると歯の表面には目に見えない傷がつき、歯垢・歯石が付きやすい状態になっています。
        専用の研磨剤と機械でツルツルに磨き、処置後もお口の中を健康に保てるようにしています。

ペインコントロール:できるだけ痛みのない手術や処置のために。そして、より安全な麻酔のために。

 

 院長は日本小動物歯科研究会に所属、技能レベル1~レベル4まで、動物歯科の全レベルを修了しており、
当院ではそれに基づいた適切な歯科治療を行っています。      

 

日本小動物歯科研究会HP 「無麻酔で歯石を取る?!」
<コラム>デンタルケアのお話 

 

 *歯科の治療と処置 一覧はこちらをご覧ください。